消火剤について

ガス消火剤 
不活性ガス/ハロゲン化物

不活性ガス
ハロゲン化学
ハロン

ハロンはフロンの一種で、消火剤として使用されるものをハロンといいます。現在では、毒性が少ないことから,ハロン1301(以降ハロンと略す)が最も多く使われています。消火の作用は冷却作用と燃焼の抑制作用によるものです。

ハロンは1950年に米国で商品化されたもので,日本では1974年に消火設備に使用が認められるようになりました。普通,消火用ハロンガスは、濃度が5-7%になるよう設定されているので、誤って放出された場合窒息の心配はありません。
また,不活性で腐食性がないため,長時間保存ができ,消火後の二次被害(水損など)がほとんど無いのが最大の長所です。

ハロン1211、ハロン1301は高圧ガス保安法により、容器の1/2以上をねずみ色に塗色するように義務付けられています。(写真)

オゾンは地球の上空の成層圏に多く集まっていて、このオゾンの多い層をオゾン層と呼んでいます。オゾン層では、オゾンが一定のバランスを保ちながら常に分解や生成を繰り返しており、分解には紫外線のエネルギーが使われています。つまり、オゾン層は、オゾンの分解や生成を繰り返すことで有害な紫外線を吸収し、地上の生物を守っているのです。しかし、フロンの影響でこの状況が変わりました。フロンは非常に分解しにくい物質で大気中に長期間とどまり、その一部がオゾンの集まる成層圏に到達します。成層圏に達したフロンは紫外線により分解され、塩素を発生します。この塩素が、触媒として非常にたくさんのオゾンを分解してしまうのです。大気中に多くのフロンが放出されるようになり、オゾンの分解・生成のバランスが崩れ、オゾン層は減少しはじめました。その結果、地表に届く有害な紫外線の量が増えはじめたのです。
紫外線が増加すると、人体や生態系への悪影響をもたらします。
消火剤のハロンもオゾン層を破壊する可能性がある物質として、特定物質に指定され、生産が全廃されましたが、現に製造されたハロンは大気への放出防止を図るとともにいまだ必要とされるハロンの需要に応えるため、回収・再生・リサイクルを進めることが求められています。

また、地球の温度は、太陽から届く日射と、地球から放出される熱とのバランスにより一定の温度に保たれています。太陽から届く日射が大気を素通りして地表面で吸収され、加熱された地表面から赤外線の形で熱が放射されます。
この熱を吸収し、その一部を再び下向きに放射し地表面や下層大気を加熱しているのが二酸化炭素などの温室効果ガスです。石油燃料等の使用が増えるにつれて、温室効果ガスが大気中に大量に放出され、その濃度が増加し、大気中に吸収される熱が増えたことにより、地球規模での気温上昇(温暖化)が進行しています。これが地球温暖化です。
消防環境ネットワークは、ハロンの供給、回収、循環的な利用、破壊等について、またHFC(代替ハロン)などは二酸化炭素の約3,000から12,000倍の温室効果があるため、二酸化炭素、HFCなどの温室効果ガスの排出抑制を図るため、データベースを構築することで、ガス系消火剤のみだりな大気への放出抑制等に寄与しています。

理想的な消火剤と言われハロンは1994年1月1日以降、先進国においては世界的に生産が全廃されましたが、使用を禁止されたわけではありません。
紫外線が増加すると、人体や生態系への悪影響をもたらします。
現在も次のような所では、特定非営利活動法人消防環境ネットワーク(旧ハロンバンク推進協議会)の管理の下、クリティカルユース(必要不可欠用途)としてハロン消火設備の新設が認められています。また既存のハロン消火設備はすべて放出時の補充が認められています。

ハロンのクリティカルユースの判断方法については、次のページを参照ください。

■モントリオール議定書
オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書
(Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer)は、ウィーン条約(オゾン層の保護のためのウィーン条約)に基づき、オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、これらの物質の製造、消費及び貿易を規制することを目的とし、1987年にカナダで採択された議定書。
略称は、モントリオール議定書。事務局はケニアのナイロビにある国連環境計画(UNEP)。
1987年に採択。1989年に発効。毎年、議定書の締約国会議が開かれ、1990年(ロンドン改正)、1992年(コペンハーゲン改正)、1997年(モントリオール改正)、1999年(北京改正)と段階的に規制強化が図られています。
この議定書により、特定フロン、ハロン、四塩化炭素などは、先進国では1996年までに全廃(開発途上国は2015年まで)、その他の代替フロンも先進国は、2020年までに全廃(開発途上国は原則的に2030年まで)することが求めらました。
日本では1988年に、「オゾン層保護法」を制定し、フロン類の生産及び輸入の規制を行っています。

なぜ、ハロンをデータベースで管理するのでしょう

消防庁通知「ハロンの回収、再利用等の促進に係る調査について」(平成5年7月22日消防予第215 号消防危第56号)には、次のように示されています。

『ハロンバンクの主旨は、ハロンのデータベースを作成し、回収、再利用等を的確に管理することにより、ハロンのみだりな放出を防止するとともに、使用の合理化を図り、もって地球環境の保全に寄与するものであること。』

また、国家ハロンマネジメント戦略の「戦略の基本方針」に次の記載があります。

『ハロンデータベースの信頼性を引き続き確保していくとともに、適正な管理の推進を図る。』

全てのハロンの設置等の状況をリアルタイムで正確に把握し、適正に管理することで、積極的にオゾン層保護に取り組むためにとても重要なデータベース管理です。

データベースで管理するために

主に以下の場合について、申請や届出をお願いしています。手数料等を含めた詳細については「消防設備関係の方々へ」のページをご覧ください。

国家ハロンマネジメント戦略

「国家ハロンマネジメント戦略」は、今後我が国が推進するオゾン層保護のため、ハロンの適正管理や排出抑制等の基本方針についてまとめられたものです。
1998年11月に開催されたモントリオール議定書第10回締約国会合において、先進国は2000年7月末までに、ハロンの排出削減及び使用の全廃を含む「国家ハロンマネジメント戦略」を策定し、UNEP(国連環境計画)のオゾン事務局に提出することが決定されました。このため、我が国では関係8省庁(防衛庁、環境庁、外務省、水産庁、通商産業省、運輸省、消防庁、警察庁(いずれも当時の名称))が検討を行い、「国家ハロンマネジメント戦略」を取りまとめUNEPオゾン事務局に提出しました。(2000年7月)

国家ハロンマネジメント戦略の概要
国家ハロンマネジメント戦略に記された「戦略の基本方針」の概要は以下のとおりです。

我が国においては、消防法により、ハロン消火設備・機器の適正な設置・維持が確保され、不用意な放出防止、排出抑制に効果をあげている。さらに、関係者の自主的な取組により、ハロンバンク推進協議会(消防環境ネットワークが業務を継承)を中心として、ハロンの管理、回収・再利用、無害化等について的確かつ円滑な運用・取組が行われており、オゾン層保護の観点から十分かつ最適なハロン排出抑制が図られていることから、現状をベースとしつつ、次に掲げる事項について重点的な取組を図ることとする。

「国家ハロンマネジメント戦略」今後の対応
特定非営利活動法人 消防環境ネットワーク
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